旅人算-3-1

旅人算-3-1(栄光学園中学2022/3人が池の周りを走るが定期的に皆の速さが変わる仕様)

旅人算-3-1

問題

 問題(栄光学園中学2022/3人が池の周りを走るが定期的に皆の速さが変わる仕様)

1周300mの池の周りを,A君とB君は同じ地点Xから同時にスタートし,左回り(反時計回り)に走ります。A君は分速200m,B君は分速250mで走りますが,自分の前10m以内に相手がいるときは速さが1.2倍になります。
例えば,スタート直後は,A君の前10m以内にB君がいるので,A君は分速240mで走ることになります。一方,B君は分速250mで走ることになります。また,B君が1周分の差をつけてA君に追いつく直前では,B君の前10m以内にA君がいるので,A君は分速200m, B君は分速300mで走ることになります。

 

(1) A君とB君が初めて10m離(はな)れるまでに,A君が走る距離(きょり)は何mですか。

(2) B君がちょうど1周分の差をつけてA君に追いつくまでに,A君が走る距離は何mですか。

(3) A君が10周してスタート地点Xに戻(もど)ってくるまでにかかる時間は何分何秒ですか。

 

今度は,A君とB君にC君を加えて,3人で池の周りを左回りに走ります。3人は同時にスタートしますが,C君だけはスタートする地点が違(ちが)います。また,C君の走る速さは,B君と同じ分速250mで,3人とも自分の前10m以内に誰(だれ)かがいるときは速さが1.2倍になります。

 

(4) C君のスタートした地点が,他の2人のスタート地点Xから左回りに150mのところでした。
(ア) B君がちょうど1周分の差をつけてA君に追いつくまでに,A君が走る距離は何mですか。
(イ) A君が10周してスタート地点Xに戻ってくるまでの時間は,(3)で求めた時間より何秒短くなりますか。

(5) A君が10周してスタート地点Xに戻ってくるまでの時間が,(3)で求めた時間より7秒短くなりました。また,B君とC君が10m以内に近づくことはありませんでした。このとき,C君がスタートした地点は,他の2人のスタート地点Xから左回りに何mのところでしたか。


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解答

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1周300mの池の周りを,A君とB君は同じ地点Xから同時にスタートし,左回り(反時計回り)に走ります。A君は分速200m,B君は分速250mで走りますが,自分の前10m以内に相手がいるときは速さが1.2倍になります。
例えば,スタート直後は,A君の前10m以内にB君がいるので,A君は分速240mで走ることになります。一方,B君は分速250mで走ることになります。また,B君が1周分の差をつけてA君に追いつく直前では,B君の前10m以内にA君がいるので,A君は分速200m, B君は分速300mで走ることになります。

 

(1) A君とB君が初めて10m離(はな)れるまでに,A君が走る距離(きょり)は何mですか。

(2) B君がちょうど1周分の差をつけてA君に追いつくまでに,A君が走る距離は何mですか。

(3) A君が10周してスタート地点Xに戻(もど)ってくるまでにかかる時間は何分何秒ですか。

 

今度は,A君とB君にC君を加えて,3人で池の周りを左回りに走ります。3人は同時にスタートしますが,C君だけはスタートする地点が違(ちが)います。また,C君の走る速さは,B君と同じ分速250mで,3人とも自分の前10m以内に誰(だれ)かがいるときは速さが1.2倍になります。

 

(4) C君のスタートした地点が,他の2人のスタート地点Xから左回りに150mのところでした。
(ア) B君がちょうど1周分の差をつけてA君に追いつくまでに,A君が走る距離は何mですか。
(イ) A君が10周してスタート地点Xに戻ってくるまでの時間は,(3)で求めた時間より何秒短くなりますか。

(5) A君が10周してスタート地点Xに戻ってくるまでの時間が,(3)で求めた時間より7秒短くなりました。また,B君とC君が10m以内に近づくことはありませんでした。このとき,C君がスタートした地点は,他の2人のスタート地点Xから左回りに何mのところでしたか。

 


 

(1)
スタート時、AB2人の距離は10m以内なので
A:分速240m(1.2倍)
B:分速250m
1分間で10mの差がつくので、Aの走る距離は240m

(答え) 240m

 

(2)
スタートしてから1分後(AB2人は10m離れる)から、BがAに追いつく手前10mまでのAの走る距離
A:分速200m
B:分速250m
(300-10-10)÷(250-200)=5.6分、200×5.6=1120m

BがAに追いつく手前の10mから、追いつくまでのAの走る距離
A:分速200m
B:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m

よって、240+1120+20=1380m

(答え) 1380m

 

(3)
前問よりBがAに追いつくまで、Aは1380m走り、池を1380÷300=4.6周する。倍の2760mでは9.2周することになる。300×0.2=60mより、あと240mで10周になる。この240mは(1)の状況と同じ。
よって、求める時間は(1+5.6+0.1)×2+1=14.4分、14分24秒

(答え) 14分24秒

 

(4)-(ア)

スタート位置

旅人算-3-1

① スタートしてから1分間でAは200×1.2×1=240m進む。
このとき、BCの距離はスタート時と同じで150m

旅人算-3-1

② スタートしてから1分後、AはCの140m前方にいる。そこからCがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速250m
(140-10)÷(250-200)=2.6分、200×2.6=520m
このとき、BCの距離はスタート時と同じで150m

旅人算-3-1

③ CがAの後方10mから追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は145m(0.1分間だけCがBより分速50m速く走った)

旅人算-3-1

④ CがAを追いこしてから10m差をつけるまでにAの走る距離
A:分速240m(1.2倍)
C:分速250m
10÷(250-240)=1分、240×1=240m
このとき、BCの距離は145mでABの距離は145m

旅人算-3-1

⑤ BがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速250m
(145-10)÷(250-200)=2.7分、200×2.7=540m
このとき、BCの距離は145m

旅人算-3-1

⑥ BがAの後方10mからAに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は150m

旅人算-3-1

よって、Aは7.5分かけて240+520+20+240+540+20=1580m走る。

(答え) 1580m

 

(4)-(イ)
(ア)より、Aが1580m走った時は、3人の位置関係はスタート時と同じなので、(ア)の①~⑥をくり返す。
3000(10周)-1580=1420mなので、①240+②520+③20+④240+⑤400(540mの途中)で1420mになり、かかる時間は(1+2.6+0.1+1+2)分。1周目の7.5分と合わせ14.2分(14分12秒)。
よって、(3)より12秒短くなる。

(答え) 12秒短くなる

 

(5)
7秒短くなると14分17秒。これを(4)-(イ)の14分12秒と比較すると5秒長く(遅く)なっている。
遅くするには、2回目にAが毎分240mで走る区間((4)-(ア)の④)の一部または全部を3000mよりも後にすればよく、そのためには、毎分200mで走る区間((4)-(ア)の②)をできるだけ多くとる。(地点Xにできるだけ近づける。)
よって、CB間が10mより開いていて、かつ計算の簡単な数値「地点Xから左に20m」で計算し、結果が14分17秒より遅ければ「地点Xから左に30m」、速ければ「地点Xから左に15m」を計算し、つるかめ算的に求める。

【地点Xから左に20m】

スタート位置

旅人算-3-1

① スタートしてから1分間でAは200×1.2×1=240m進む。
このとき、BCの距離はスタート時と同じで20m

旅人算-3-1

② スタートしてから1分後、AはCの270m前方にいる。そこからCがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速250m
(270-10)÷(250-200)=5.2分、200×5.2=1040m
このとき、BCの距離はスタート時と同じで20m

旅人算-3-1

③ CがAの後方10mから追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は25m(0.1分間だけCがBより分速50m速く走った)

旅人算-3-1

④ CがAを追いこしてから10m差をつけるまでにAの走る距離
A:分速240m(1.2倍)
C:分速250m
10÷(250-240)=1分、240×1=240m
このとき、BCの距離は25mでABの距離は15m

旅人算-3-1

⑤ BがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速250m
(15-10)÷(250-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は25m

旅人算-3-1

⑥ BがAの後方10mからAに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は20m

旅人算-3-1

よって、Aは7.5分かけて240+1040+20+240+20+20=1580m走り、その時の3人の位置関係はスタート時と同じ。
Aが残り1420m走れば3000m(10周)になるので2周目の途中で3000mになる。
1420=240(①)+1040(②)+20(③)+120(④の半分で0.5分間走る)にかかる時間と7.5分で、(1+5.2+0.1+0.5)分+7.5分=14.3分=14分18秒。

14分17秒より遅くなったので次は「地点Xから左に30m」を計算する。

【地点Xから左に30m】

スタート位置

旅人算-3-1

① スタートしてから1分間でAは200×1.2×1=240m進む。
このとき、BCの距離はスタート時と同じで30m

旅人算-3-1

② スタートしてから1分後、AはCの260m前方にいる。そこからCがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速250m
(260-10)÷(250-200)=5分、200×5=1000m
このとき、BCの距離はスタート時と同じで30m

旅人算-3-1

③ CがAの後方10mから追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
C:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は35m(0.1分間だけCがBより分速50m速く走った)

旅人算-3-1

④ CがAを追いこしてから10m差をつけるまでにAの走る距離
A:分速240m(1.2倍)
C:分速250m
10÷(250-240)=1分、240×1=240m
このとき、BCの距離は35mでABの距離は25m

旅人算-3-1

⑤ BがAの後方10mに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速250m
(25-10)÷(250-200)=0.3分、200×0.3=60m
このとき、BCの距離は35m

旅人算-3-1

⑥ BがAの後方10mからAに追いつくまでにAの走る距離
A:分速200m
B:分速300m(1.2倍)
10÷(300-200)=0.1分、200×0.1=20m
このとき、BCの距離は30m

旅人算-3-1

よって、Aは7.5分かけて240+1000+20+240+60+20=1580m走り、その時の3人の位置関係はスタート時と同じ。
Aが残り1420m走れば3000m(10周)になるので2周目の途中で3000mになる。
1420=240(①)+1000(②)+20(③)+160(④の$ \displaystyle \frac{2}{3} $で40秒間走る)にかかる時間と7.5分で、(1+5+0.1)分+40秒+7.5分=13.6分+40秒=14分16秒。

「地点Xから左に20m」では14分18秒で、「地点Xから左に30m」では14分16秒となり、この間の速さは一定なので中間の「地点Xから左に25m」が14分17秒になる。

(答え) 地点Xから左に25mのところ

 

 

hajizo
ではまた~